第6回 第11話 呪われたママ 1974年12月3日放映 脚本：井手隆久 作画監督：? 美術：? 演出：? 　 主な登場キャラクター カリメロ パパ ママ 呪われた ママ 　 あらすじ 古い荒れた屋敷内を、ママを探して歩くカリメロ。地下室からカン、カン、カン…と、何かを叩いている音が聞こえる。 カリメロはママがいると思い近づくと、 「誰だね？そこにいるのは？」 という不気味な声が…！ そしてそこには、ママとは思えないおそろしい顔をした化け物が…。 翌朝カリメロが目を覚ますと、ママは朝食の準備をしている。 カリメロは 「ねえママ、昨日の夜地下室に行った？」 とたずねてみるが、ママは 「ねぼけてるのね。早く顔を洗ってきなさい」 と言って答えてくれない。 次の日の夜、カリメロはママが地下室へ入ってゆくのを見る。あとをつけると、またカン、カン、カン…という音が聞こえる。 こわくなったカリメロは「ママー！」とさけぶ。するとそこには、いつものママの姿が。 「カリメロ、まだ起きてたの？」 「あっママ、地下室なんかで何をしてるの？」 「何もしてないわよ。さ、早く寝なさい」 だがママの手を見ると、傷だらけである。 「ママ、どうしたの？その手」 「なんでもないわ。いいこと？カリメロ、このことはパパに言っちゃダメよ。約束よ」 ママは再び地下室へ入っていってしまった。 次の夜、カリメロが地下室へ行ってみると、やはりあの音が聞こえる。扉を開けて中に入ると、何かにつまづいて転んだ。見ると、それはガイコツだった！さらに回りには、たくさんの骨が…。 そして奥には、化け物の姿をしたママがガイコツを叩いている。 「誰だね？そこにいるのは」 カリメロはこわくて動けない。 ママは 「私はおなかがすいてペコペコなんだよ。カリメロ、私はおまえを食べたいんだよ！」 といって大きなカマをふり上げた…！ そこで目が覚めた。夢だったのだ。 実はママは、結婚記念日のプレゼントとして、パパの木彫りの人形を地下室でこっそり作っていたのだ。 カリメロは、ママがあやしいことをしていると思い込み、呪われてしまったと勘違いしていたのだった。 　 感想 ホラータッチで、異色作ともいえる作品だが、はっきりいってかなりインパクトが強い。子供にとっては、そうとうこわい話であろう。私もこの回は、子供のとき見て以来、ずーっと記憶に残っていた。そういう人は多いのではないだろうか。 「恐ろしさを感じさせる演出」＆「夢オチ」は#6と同様の展開であるが、あちらは幻想的なムードであったのに対し、こちらはリアルに恐怖を描いている分、その効果はずっと上である。 カリメロが目を覚まして実は夢だったとわかったときは見ているほうもホッとするのだが、そのあと部屋のドアが開いて化け物ママ（実はそれもカリメロの思い込みだったのだが）が入ってくるシーンなどは、いったん安心しただけに余計にこわい。 最後はハッピーエンドなのでよかったが、「カリメロ」未体験の子がいたら、最初にこの回を見せるのだけはやめたほうがよいだろう。   メモ ・カリメロの家には、地下室があることが判明。しかも地下への階段は長く、かなり深いところに造られているらしい（まあ、怖さを強調するためでもあるだろうが）。