第4回 第8話
大金庫どろぼう
1974年11月12日放映
脚本:よしだたけし
作画監督:?
美術:?
演出:?
 
主な登場キャラクター
カリメロ
プリシラ
ピーター
デッパ
ブータ
先生
   
ボビ
ペペ
チーボス
チューチュー
   
 
あらすじ
大きな金庫を背負って歩くボビ。その姿をペペ一家が見つけた。どこの金庫なのかを聞き出そうとするが、もちろんボビは教えない。ところが、ちょっと間が抜けているボビはペペたちの誘導に引っ掛かり、「これが学校の金庫なんて絶対に言わんぞ」と答えてしまう始末。

学校では、カリメロたちがテスト中。フクロウ先生が居眠りをしているのをいいことに、ピーター、デッパ、ブータは答えを書いた紙飛行機を飛ばし、答えを教え合っていた。カリメロは飛行機が気になってキョロキョロしていると、隣の席のプリシラは、自分の答案を見ているのではと思い込む。
すると紙飛行機が先生に命中し、悪事がばれてしまう。先生は、誰の仕業なのか名乗り出るように言うが、誰も手を挙げない。テストは中止となり、先生は答案を調べて犯人を突き止め、両親にも報告するという。

このことが両親に知られたら大変なことになるピーターたち。不安を抱えながらの帰り道で、金庫を背負ったボビとすれ違う。聞くと、フクロウ先生に頼まれてダイアルを新しくしたという。この金庫がテストをしまっておくものだと知っていたピーターは、金庫からテストを盗み出し、捨ててしまうことを思いつく。そうすればカンニングのことはばれない。
カリメロに答えを見られたと思い込んでいるプリシラは、ピーターたちから作戦のことを聞かされるが、答案を盗み出すのはさすがに気が引ける。

学校に戻ったピーターたちは、金庫を見に来たペペ一家と鉢合わせしてしまう。とっさピーターは、「金庫の中には100万円入っている」とウソをつく。お金が入っていると思わせて、ペペたちに金庫を盗み出させるためである。

誤解を解きたいカリメロは懸命にプリシラに説明するが、プリシラは信じてくれない。それならとカリメロに協力を頼み、こっそりと金庫を開けて2人の答案を見比べることにした。
その夜、2人は姿を隠すためにシーツをかぶり、学校に忍び込んで金庫を開けた。そのとき、誰かが入ってきた。先生が来たと思った2人はあわてて金庫の中に隠れる。入ってきたのはペペ一家。学校から金庫ごと盗み出してしまった。

その頃ピーターたちは、墓場にいた。ここを通るはずのペペたちを怪物のお面をかぶって驚かし、彼らが逃げ出したあとにテストをいただくという作戦である。
ペペたちは墓場にやってきた。ところがそのとき、どこに連れて行かれるのか不安なったカリメロとプリシラは、泣き出してしまう。その声を聞いたペペたちは、「金庫が泣いてる。お化け金庫だ!」と驚いて逃げ出してしまった。

ピーターたちは作戦通りに飛び出すと、ペペたちの姿はなく、あるのは金庫だけ。「まあいいか」と金庫を開けると、そこにはシーツをかぶったカリメロとプリシラが。それをお化けだと思ったピーターたちは、ショックで気絶してしまった。
そこへフクロウ先生が駆けつけた。金庫とピーターたちを見つけたものの、カリメロたちを見てやはりお化けと勘違い。気絶してしまった。カリメロたちはそのすきに逃げ出すことができた。

怖い思いをしたが、先生には見つからず、ホッとする2人。「もうあんな怖いことはしない」と誓い合うが、カリメロの疑いは最後まで晴れなかった。
 
感想
#5にも似た、カリメロの犯罪行為まがいのストーリー。カンニングをした上にテストを盗み出そうというピーターたちもひどいが、無実を証明するためとはいえ、「いい子」のはずのカリメロまで金庫を開けようとするのは、道徳的に問題がある気がする。しかもお咎めを受けることなく、逃げ出してしまうのだから・・・。
ピーターたちも、最後は先生に見つかったとはいえ、ギャングのぺぺたちを利用するという狡猾さは、そうとうのワルである。
「カリメロ」の初期作にはこのような話が少なくないが、アニメーションとしての方向性がまだ固まっていなかったのかもしれない。
 
メモ
・別れるときに「チャオ」と言い合う場面が2度出てくる。ご存じイタリア語の挨拶だが、元はイタリアのアニメーションであることを考えれば自然ではある。ただ「チャオ」は、この話以外ではほとんど出てこなかったと思う。もともと「カリメロ」は、特定の国を舞台としているわけではない。多用しなかったのは、あえてイタリア色を消そうとした結果だろうか。
 

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